Articles コラム メタバース・スマートシティ​ メタバースをリードできるかは「測量データ」と「アイレベル」にある! 3D都市データサービス「街バース」で本格化するリアルなバーチャル

「街バース」は従来の3D都市データとは何が違う?

この4月1日にサービスが始まった「バーチャル秋葉原」を筆頭に、各社がさまざまな取組みをスタートさせているメタバース。ユーザーにとって重要なのは、「どのようなメタバース空間か?」ということですが、その“世界のもと”とも言うべき、メタバース空間の制作に最適な3D都市データを販売しているのが株式会社キャドセンターです。

キャドセンターではこの6月15日から丸の内周辺の街並みを3DCGで精密に再現した都市データ「街バース」をリリースしました。既存の3D都市データの多くは、現実には存在しない都市であったり、メタバースには向いていないアングルであったりすることがほとんどです。

街バース」は、これまでの3D都市データとは具体的にどこが違うのでしょうか? スタートアップやクリエイターから熱視線を注がれる「街バース」の秘密を、キャドセンターのテクニカルディレクターの秋山一広さん、松本学さん、リアルタイムチームの戸本岳二さんに伺いました。

「アイレベル」を採用した「街バース」の強み

オンライン上で3Dマップを制作する場合によく使われるのが「Unreal Engine」や「Unity」といったゲームエンジンです。しかし、これらはリアリティにこだわって建物をひとつひとつ設置していくと、作業量が膨大になるのがネックです。その点、「街バース」であればすでに丸の内の3D都市データがメタバース向けに用意されているため、手間をかけずにリアルな世界が構築できるのです。しかも、Unreal Engine形式、Unity形式、FBX形式とさまざまなデータフォーマットにも対応していて、「試したプラットフォームでは、実用に耐えうるレベルまでは軽くしてあります」(秋山)とのこと。「街バース」を導入することで、ゲームや各種シミュレーションにおいて、実際の街を手軽に舞台にすることが可能になりました。

今回のインタビューでは馬に乗って丸の内のビジネス街を走るデモンストレーションを見せていただきましたが、巨大なビルを横目に東京駅に向かって馬でアスファルトを疾走する姿は衝撃的! アイデア次第ではさまざまな表現や遊びが実現できそうです。

戸本「キャドセンターの知名度を上げるため、こうしたリアルな3D都市データを用いた動画をTwitterに投稿しているのですが、ものすごく引きが強いですね。リアルな空間というのはビジュアル的にインパクトが大きいようです。みなさんも欲しいデータなのではないかと思います」

この「街バース」と従来型の3D都市マップの最大の違いは、目線の設定にあります。上空で撮影した航空写真が外観のベースになっている3D都市データは、人の目線(アイレベル)まで下げて描写されることはほぼありません。しかし、実際にアバターが歩いたり走ったりするメタバースに使う以上、望ましいのはアイレベルです。「街バース」では人の目線を意識し、細かく作り込んでいるそうです。

松本「たとえば弊社の別の3D都市データ『REAL 3DMAP』は200m上空から見るという想定で、地盤の面は凹凸とテクスチャで制作しています。一方、『街バース』の場合は、まず地盤に道路があって、さらにガードレールや横断歩道といった道路に付随するものもつけています。データ的には地面周りまで作っています」

メタバースの可能性を探る

メタバースが注目されるなか、長年リアリティある都市データを提供してきた強みと、不動産のCGパースを手掛けてきた表現力を活かし、3D都市データをアイレベルにブラッシュアップさせた「街バース」。「映像系のメディアが取材に来られて、アイレベルのデータは非常にニーズがあると言われました」と評判は上々のようです。

この「街バース」はなんと50万円という、単純な3D都市データと比較しても破格の戦略的提案。メタバースを手掛けてみたいと考えるスタートアップやオリジナルのメタバース空間を作りたい個人のクリエイターにとっても、チャレンジしやすい価格といえます。

「私たちも単純にこのデータを何十本も売りたいというよりは、メタバースの可能性を探る企業さんやクリエイターさんと一緒に何かできれば、というのがこの価格の一番の狙いです」。教育を目的とした利用や共同開発による新規の試みの場合は、さらにディスカウントすることも可能だそう。

「これだけ世間が『メタバース、メタバース』と言っているのだから何かしらやってみたいという方には、3D制作の知識が全然なくても私たちが制作をサポートします」という心強い発言も聞かれました。メタバースはまだまだ創成期。あっと驚くような柔軟な発想と、キャドセンターのリアルで使いやすい都市データが組み合わさることで、これまで誰も目にしたことのないコンテンツが生まれるかもしれません。

取材/GetNavi web編集部 まとめ/卯月 鮎