Topics NEWS 3D都市モデルを活用した防災WEBアプリをキャドセンターが開発 —「バーチャル水害避難訓練」を板橋区がリリース—

 
株式会社キャドセンターは、東京都板橋区の依頼を受け、板橋区内をリアルに再現した3D都市モデルをもとに、防災学習用WEBアプリ『バーチャル水害避難訓練』を開発しました。本アプリは板橋区により2025年8月20日から提供開始されています。ユーザーはスマートフォン上で水害時の避難行動を体験しながら、自地域のリスクや正しい避難方法を直感的に学べる革新的なコンテンツです。自治体が自地域の実際の街並みを3D都市モデルとして防災学習に取り入れる手法は、WEBアプリ形式として全国初※の試みとなります。

背景と課題認識

気候変動による局地的豪雨災害の増加に伴い、自治体における水害対策の重要性が増しています。板橋区の北部地域では、荒川が破堤した場合、浸水深が5メートルを超え、その状態が2週間以上続くと想定されています。こうした課題を背景に、住民が自分の暮らす地域の防災リスクをリアルに体感しつつ、繰り返し楽しく学べる学習コンテンツの開発が求められました。

取り組みの特徴:リアルな都市再現と学習性の高い仕組み

キャドセンターは、板橋区都市整備部都市計画課と協働し、次の特徴を持つWEBアプリ『バーチャル水害避難訓練』を開発・提供しました。

  • 板橋区の街並みを忠実に再現した3D都市モデル
    国土交通省主導「PLATEAU(プラトー)」の都市モデルと、当社の3D都市モデル制作技術を組み合わせ、板橋区の街並みを忠実に再現しました。
  • 全国初※の自治体実装例
    自治体が実際の地域を3D都市モデルとして可視化し、防災学習コンテンツに組み込んだWEBアプリは、本事例が全国初の試みと位置づけられます。
  • インタラクティブな学習設計
    スマートフォンで操作可能な4つのステージ(舟渡、新河岸、高島平、シークレット)を設け、クイズ形式やミニゲーム形式で避難行動や防災知識を楽しみながら学べる構成です。
  • 多様な世代に届くUIデザイン
    高齢者やスマホに不慣れな方でも直感的に操作できるシンプルで分かりやすいUIを採用。防災意識の向上とデジタルリテラシーの両立を目指しています。開発段階で住民を対象にユーザビリティテストを行い、幅広い年齢層の方々がストレスなく体験できる設計を行いました。

アプリの特徴・構成

 
舟渡ステージ:水害時の状況判断をシミュレーションし、避難行動を体験的に学ぶ
新河岸ステージ:クイズ形式を通じて避難知識を深めながら進行
高島平ステージ:防災アイテムを集めながら、避難に必要な行動を学ぶ
シークレットステージ:3ステージクリアで解放され、学んだ内容を総復習する場に

また、水平避難・緊急垂直避難や、情報取得の方法、高齢者支援の重要性などを体験形式で学ぶ仕組みを導入。これにより、住民一人ひとりが実際の避難行動を「自分ごと」として認識できるよう設計されています。

期待される効果と展望

本アプリを通じて、住民の防災意識が高まり、災害時に冷静で適切な行動につながることを期待しています。また、高齢者や要支援者を支える住民同士の連携や支援意識の向上にも寄与できればと考えています。今後、他自治体での活用や、災害教育における3Dモデル活用の一助となることを目指してまいります。

リリース情報

■特設ページURL
https://suigai-itabashi.tokyo/
■提供開始日
2025年8月20日(水)
■配信形式
WEBアプリ(スマートフォン対応)
■公開期間
2025年8月20日~2026年3月31日(予定)

※ 全国初:WEBアプリ形式で自地域の3D都市再現を防災学習に用いた事例として、現時点での類を見ない取り組み(当社調べ)

本アプリの内容詳細は事例ページをご覧ください。