「メタバース」は知っているものの、「自社ビジネスにどう活かせるのか?」「投資に見合う効果が得られるのか?」といった疑問をお持ちではないでしょうか。
本記事は、国内の先進企業が実際にどのような目的でメタバースを導入し、どのような成果を上げているのかを、「新規サービス」「マーケティング」「まちづくり・観光活性化」「研修・採用」の4つの目的別に、公式情報を交えて徹底解説します。具体的な成功事例から、貴社のビジネスでメタバースを成功させるためのヒントを見つけてください。
目的別:メタバースのビジネス活用事例と導入効果
新規サービス・顧客体験創出のための活用事例
メタバース空間を活用して、リアルでは不可能な新しいエンターテインメントや購入体験を提供し、既存事業を拡大する事例です。
ローソン:バーチャルマーケットへのバーチャル店舗出展
ローソンは、世界最大のVRイベント「バーチャルマーケット」のパラリアル秋葉原にバーチャル店舗を出店しました。アバターとなった店員と会話しながら、リアル商品の購入や、バーチャル空間ならではのゲーム・イベントを楽しむことができました。
【導入効果】
リアル店舗とバーチャル店舗を連携させた新しいOMO(Online Merges Offline)体験を提供し、企業イメージの革新と新規ユーザー層との接点拡大に成功しました。
【関連情報】
[公式PR] 世界最大のVRイベント『バーチャルマーケット2021』にローソンが初出展!https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000145.000034617.html
NIKE:Roblox上に「NIKELAND」を開設
ナイキは、世界的なゲームプラットフォーム「Roblox(ロブロックス)」内にバーチャルテーマパーク「NIKELAND」を常設しました。ユーザーはアバターを使ってミニゲームで遊んだり、ナイキの本社を模した空間で交流したりできます。また、アバター用のバーチャルアイテムを購入可能です。
【導入効果】
特に若年層に対し、ブランドの世界観を体感しながら遊べる「プレイグラウンド」を提供。デジタルファッションアイテムの販売を通じて、新たな収益源を確保しつつ、コミュニティエンゲージメントを高めています。
【関連情報】
[公式情報] ロブロックスにNIKELANDが誕生 – NIKE
https://nike.jp/nikebiz/news/2021/11/22/4956/
マーケティング・ブランディングのための活用事例
メタバース特有の体験価値を提供することで、ブランドへの愛着を高めたり、環境活動への参加を促したりする事例です。
BEAMS:ZEPETOでバーチャルファッションアイテムを展開
セレクトショップのBEAMSは、アジア圏で人気のバーチャルSNS「ZEPETO(ゼペット)」に参入し、アバター用のオリジナルファッションアイテムを継続的に発表しています。公式モデルアバター「AM(アム)」を通じたライブ配信やユーザーとのコミュニケーションを活発に行っています。
【導入効果】
若年層が集まるプラットフォームでのプレゼンスを確立し、リアルの商品企画やトレンド分析にも役立つユーザーの反応を獲得。バーチャル空間でブランド体験を深化させています。
【関連情報】
[公式ニュース] ビームスがソーシャルプラットフォーム『ZEPETO』登場1周年を記念したアバター用ファッションアイテムコレクション
https://www.beams.co.jp/news/3919/
カネボウ ALLIE:clusterで「バーチャルビーチクリーン」
日やけ止めブランドのALLIEは、メタバースプラットフォーム「cluster(クラスター)」内に「ALLIE BEAUTY UP ISLAND」を常設しました。この島では、ユーザーが協力してバーチャル空間でゴミ拾いを行う「バーチャルビーチクリーン」に参加でき、その活動が現実の環境活動にも連動する仕組みを構築しました。
【導入効果】
ブランドのサステナビリティ(環境配慮)への取り組みを、バーチャル体験を通じて楽しく、深くユーザーに浸透させ、共感と愛着を醸成しました。
【関連情報】
[cluster公式ワールド] 【公式】ALLIE BEAUTY UP ISLAND
https://cluster.mu/w/d1ed3ba4-c90b-4bc4-926e-aab0f4ff32ee
まちづくり・観光活性化のための活用事例
実際の街をデジタル空間に再現する「デジタルツイン」や「3D都市モデル」を活用し、地域の魅力発信や防災の取り組みが行われています。
バーチャル秋葉原:世界中のどこからでもいつでも秋葉原の魅力を
PC 用のアプリやVR ゴーグル、Web ブラウザを通じて、世界中のどこからでもいつでも秋葉原の魅力を楽しむことができます。買い物ができる店舗やギャラリースペース、広告用サイネージを設け、多様な企業が、リアルとオンラインに続く“第三のチャネル”として情報発信や販促活動などに活用することが可能です。
【導入効果】
秋葉原ならではのコンテンツを創出して国内外に安全・安心に情報発信することや、クリエイターが活躍できる新たな場の構築、新しいコミュニケーションの創出の場となっています。
【関連情報】
キャドセンター制作事例:バーチャル秋葉原
https://www.cadcenter.co.jp/works/archives/2275/
文化庁:日本の技EXPO メタバース空間「技バース」
後継者不足により継承が危ぶまれる「選定保存技術」を知るキッカケとして開催されている日本博主催・共催型プロジェクト「日本の技EXPO」。その展示イベントをメタバース空間に移した「技バース」。空間を歩き回り、日本が誇る匠の技術を楽しみながら、理解をより深めることができます。
【導入効果】
自宅にいながらも“自然の力と技術が融合した日本の伝統技術の素晴らしさ”を目の当たりにできる、エンターテイメントを兼ねた“学び場”にもなっています。
【関連情報】
キャドセンター制作事例:日本の技EXPO メタバース空間「技バース」
https://www.cadcenter.co.jp/works/archives/9892/
研修・採用のための活用事例
VR/メタバース空間を利用することで、現実では危険・困難な状況を安全かつリアルに体験させたり、企業への理解度を高めたりする事例です。
ANA:整備士の安全体感VR研修
全日本空輸(ANA)は、航空機整備士向けの安全体感教育にVRシステム「ANA VR Safety Training System」を導入しました。過去の労働災害事例に基づき、格納庫での高所作業における転倒や転落などの危険な状況を疑似体験させ、危険予知能力の向上を図っています。
【導入効果】
現実では体験させることのできない「危険な瞬間」を安全に体感させることで、座学では得られない強い印象と学習効果を提供。労働災害ゼロを目指す安全意識の定着に貢献しています。
【関連情報】
[公式PR] 整備士の安全体感教育にVRを導入 – ANA Group 企業情報
https://www.anahd.co.jp/group/pr/202002/20200226.html
中京テレビ放送:メタバース会社説明会
中京テレビは、新卒採用イベントとしてメタバース空間で会社説明会を実施しました。参加者はアバターで参加するため、顔出しのプレッシャーなく、人事担当者や社員と双方向の質疑応答を行える環境を提供しました。
【導入効果】
リアルや一般的なオンライン説明会では引き出しにくい、本質的な質問や疑問を解消できる場を提供し、相互理解を深めることができました。結果として、高い応募率と参加者満足度(95%)を達成し、新しい採用チャネルとしての可能性を示しました。
【関連情報】
[公式ニュース] アバターで就職活動!中京テレビが『メタバース会社説明会』を実施!
https://www.ctv.co.jp/swing/article/qw73rm1xgsh2v85v.html
メタバースビジネスを成功させる3つのポイント
- 導入目的を明確にする
流行に流されず、「どのような課題を解決したいのか」「KPIは何か」を具体的に設定しましょう。 - 仮想空間ならではの体験を設計する
現実の単なるコピーではなく、非日常性や自由度の高さなど、メタバースだからこそ提供できるユニークな体験価値を設計することが重要です。 - リアルとの連携を意識する
仮想体験をリアルの購買行動やサービス利用、あるいは企業活動の効率化に結びつける仕組み(OMO)を作りましょう。
株式会社キャドセンターでは、3D都市モデルを活用した「リアル」なものから架空のイベント空間まで、さまざまな3D空間の構築を行うとともに、インタラクティブ性がありコミュニケーションを促進するオンラインコンテンツを提供しています。メタバースの活用や構築をご検討されている方はぜひお気軽にお問い合わせください。





