
都市開発における合意形成やプロジェクトのビジョン共有においては、関係者が将来像を立体的に理解し、共通の認識を持つことが重要とされています。こうした課題に対する新たなアプローチとして、独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)は、没入型の視覚体験を可能にする「イマーシブシアター」の活用を検討していました。
その技術的・表現的な可能性を検証するため、まずは社内向けに簡易構成のシアターコンテンツを制作。本プロジェクトは、空間スケールや将来構想の共有をより円滑に行う手段として、その有効性を提示することを目的としました。
投影するコンテンツは、観る人を引き込む没入体験を最大限に高めるため、フォトリアル3D都市モデル REAL 3DMAP OSAKA を活用し、CGアニメーションを制作しました。URが手がけてきた大阪市内の都市再生の事業地区を、リアルかつダイナミックに紹介するフルCG映像として構成し、多面投影に対応したイマーシブシアター専用の設計を施しています。さらに、映像制作にとどまらず、シアター空間の機材構成から内装工事までをトータルで提供しました。





完成したシアターコンテンツは、URが社会実験の場として活用中のUR森之宮ビル1Fスペースに設置。UR内部の多くの関係者にご体験いただき、高い評価を獲得。すでに複数回の上映イベントも開催されており、関係方々からのフィードバックを踏まえ、今後はより広範な展開を見据えた検討が進められています。