本作品は「終焉の画家」という異名を持つポーランドの画家ベクシンスキーの絵画を3DCG化し、VRコンテンツとして表現。ベクシンスキー作品の著作権を所有するポーランドのサノク歴史博物館より公認を受けています。
シーンごとに異なる絵画作品をモチーフとして構成された本コンテンツは、あえて映像的な起承転結のあるストーリー性を抑制し、ユーザーの視点移動による360°映像ならではの体験を重視したコンテンツとなっています。

 

オープニング~中空間世界

暗闇の中から、揺りかごを揺らす青いローブの人物が現れる。
揺りかご内の暗闇に入っていき、中空間世界へ。
中空間世界は、少し開けた世界。墓標が折り重なった世界で水平線は見えない空間。
目に包帯をした少年の横をすり抜け、入り口の様に空いた暗闇の中へ進む。

 

 

 

 

 

大空間世界~エンディング

円形のモチーフが現れ、それを中心に絵が広がる。
風になびくコートの内側に向かい画面一面オレンジ(次の世界の空色)になる。
巨大なスケール持つ物証に囲まれた大空間世界では、オレンジの世界に、松明をもった人と地面を漂う霧が漂い、左右に巨像が現れる。
巨像の壁が途切れると、岩の転がった地面が現れる。 水平線は限りなく広く、靄がかかり水平線は見えない。カメラが止まり見上げると十字架のモチーフ。

 

 

 

 

 

※お手持ちのスマートフォンからVR再生でお楽しみいただくこともできます。
※PCの360°動画視聴にはChrome、Firefox、MS Edge、Operaブラウザが必要です。

 

 

クリエイター紹介

映像/グラフィックグループ
戸本岳二

ベクシンスキーとの出会いは15年ほど前、ネット上で「見ると呪われる」と話題になっていたときです(ちなみにまだ呪われてはいません!)。
独特なダークな世界観・作風が、自分の心象風景というか、表現したい世界と共鳴するものを感じ、以後、彼の作品をチェックするようになりました。

今回のコンテンツでは「周囲を見わたせる」というVRならではの体験を最大化したいという思いがあり、狭い空間から始まり、だんだん広い空間へ移動してくことで視野が広がっていくように作っています。この流れに合わせて、VR化する作品をセレクトしました。
絵画作品ではパースをつけることで広がりを表現しますが、VRコンテンツ内ではパースがつかないため、エフェクトを使い上空を霞ませるなど、映像的な演出で広がりを表現しています。
コンテンツすべてをひとりで作ったわけではなく、モデリングチームにも協力してもらい、仕上げることができました。キャドセンターには多様な技術を持ったクリエイターがいて、それぞれの専門知識やスキルを合わせることで、作品をブラッシュアップし、より高度な作品制作ができます。その強みをうまく利用し、自分が思い描いていた世界観を表現できたと思います。

作品にタイトルをつけず、意図を詮索されるのを嫌ったと言われているベクシンスキー。彼の作品の真意は、このコンテンツひとつ作っただけでは、とても推し量れるものではありません(あと2~3個作ったら、少しは分かるようになるかもしれません…)。ただ、今回のコンテンツのために彼の作品を改めて見直して気づいたことがあります。どの作品にも「生」を表現する物証が描かれているのです。一般的に「終焉」「絶望」といったキーワードで理解されている彼の作品は、そういったダークな世界にありながらも、命あるものを確実に捉えています。ベクシンスキー作品の真の魅力は、もしかしたらこういったところにあるのかもしませんね。

ベクシンスキー作品紹介

 

 

サノク歴史博物館

ポーランド南東部の町サノクにあり、ズジスワフ・ベクシンスキーの著作権を管理するとともに多くのベクシンスキー作品を所蔵しています。

 

 

Muzeum Historyczne w Sanoku
Address: ul. Zamkowa 2, 38-500 Sanok, Poland
TEL: + 48 13 46 306 09
All reservations e-mail: rezerwacja.mhs@interia.pl
URL: http://www.muzeum.sanok.pl/en/
Opening hours:
from 1st April to 31st October
Mon 8am – 12pm
other days of the week 9am – 5pm
from 2nd November to 31st March
Mon 8am – 12pm
Tues and Wed 9am – 5pm
other days of the week 9am ” 3pm